Act#19 手駒の死に様

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「愛人の仇討ちのつもりだったのかもしれんな。」

 神の手により再び魔王を地に封じ込められ、ワルマ族は大敗を喫した。
 地上は再び神のものとなり、生き延びた少数のワルマ族は、ボロボロになったワルマの要塞で、ひっそりと暮らしていた。そんな中、城壁の復旧作業を指揮しながら、ワルマナイトはアトモスにそうつぶやいた。

「そんなの、息子にきかせるようなセリフじゃないでしょう。」
 アトモスはそうワルマナイトに言いつつ「本当の仇は、あなたの守っているキングワルマでしょう?」と考えていた。

 常日頃、キングワルマは、部下を信頼している、そう語っていた。

 信頼………?

 信頼っていうのは、一方的に利用できる、おとなしく言うことを聞いてくれる、便利な道具ってことですか?
 セイレーンのように『ワルマのため』というお題目で『キングワルマの目的のため』に命を捧げてくれることですか?
 父さんのように、前線で最後まで戦って、命を落としてくれる『あなたに忠誠を誓った』英雄のことですか?

 全ての上に立つ、キングの言葉など、信用するに値しない。
キングが高らかにワルマの勝利を謳った所で、この戦いは天界の勝利で終わった。




 わたしは、『キング』の言葉は信用しない。



〜 天のお仕事 Act # 19 手駒の死に様 〜